潮風とペダルが導く、癒しとご縁のはじまり
ロードバイクで海沿いの道を走っていると、潮風がふわりと香りを運んできます。心地よい疲労感に包まれながら、ふと視線を上げると、穏やかな波間にたたずむ朱色の大鳥居が目に飛び込んできます。
その堂々とした姿は、海に溶け込むように静かに存在し、思わずペダルを止め、しばらくその場に佇んでしまいました。潮の満ち引きによって表情を変えるその景色は、忙しさに追われる日常を一瞬で忘れさせてくれます。
その景色に触れると、心がふっと軽くなる瞬間が訪れますよね。「こんな場所で、何も考えずに過ごせたら…」──そんな思いが自然と湧き上がります。
日々の生活に追われ、気づけばあっという間に過ぎ去っていく時間。そんな中で、心と体をリセットできる静かな場所があるだけで、きっと明日からの自分が少し変わる。そんな予感がします。
そんな気持ちに寄り添う場所が、広島県・宮島に佇む世界遺産厳島神社。
瀬戸内海に浮かぶように建てられた朱塗りの社殿と大鳥居は、見る者の心を優しく包み込み、訪れるたびに新しい発見と癒しを与えてくれる、特別な聖域です。
そんな厳島神社の悠久の歴史や、心をほぐすパワースポット、ご利益のある参拝スポット、そして潮のリズムに合わせた訪問の楽しみ方まで、あなたの旅がもっと特別なものになるよう、たっぷりとご紹介します。
心が疲れた時、自分自身を見つめ直すきっかけになるような、癒しとご縁が深まる神社旅へとご案内します。
朱色の鳥居が連なる幻想的な風景に心惹かれたなら、京都の伏見稲荷大社もおすすめです。その魅力やパワースポット巡りを、こちらの記事でご紹介しています👉 伏見稲荷大社の妄想旅はこちら
厳島神社とは? 神の宿る島・宮島の歴史と信仰

海上交通を守護する宗像三女神──市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命が穏やかな表情で並ぶ、心安らぐ一枚。
県廿日市市、瀬戸内海に浮かぶ「宮島」は、古来より“神が宿る島”として日本人の心に深く刻まれてきました。
その中心にある厳島神社は、日本三景のひとつとしても知られ、1996年にはユネスコ世界文化遺産にも登録されました。
島全体がご神体とされており、鳥居をくぐるその瞬間から、訪れる者は日常から神聖な世界へと導かれるのです。
厳島神社の創建は推古天皇元年(593年)と伝わります。有力豪族・佐伯鞍職が神託を受けて社殿を建てたことが始まりで、以来1400年以上の時を経て信仰が受け継がれてきました。
平安時代には、平清盛の深い崇敬を受けて大規模な造営が行われ、貴族文化と神道が融合した独特の様式美が確立されました。
ご祭神は宗像三女神――市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たきつひめのみこと)。これらの神々は海上交通の守護神として、また芸術・財運・縁結びの神として、多くの人々から信仰されています。
女性的で優美なエネルギーを持つ三女神の存在が、厳島神社の荘厳さに柔らかな彩りを加えています。
📷 厳島神社の歴史を感じる瞬間はこちら
海に浮かぶ朱の社殿 幻想的な建築美を体験

朱塗りの社殿が海に浮かび、背景には緑に包まれた五重塔が佇む、厳島神社らしい景色。
厳島神社を象徴する光景、それは“海に浮かぶ社殿”。
この幻想的な建築美は、潮の満ち引きによって表情を変え、自然と一体となる神域を演出します。
干潮時には足元が露わになり、建物が大地に根差しているような安定感を見せる一方、満潮時には社殿がまるで海に浮かんでいるかのように映り、非現実的な神々しさが際立ちます。
この社殿は「寝殿造」を基調にしており、平安時代の貴族の邸宅様式がそのまま神殿建築に取り入れられています。
朱色の柱と白漆喰の壁、そしてその背後に広がる蒼い海と空のコントラストは、息をのむほどの美しさ。
風にそよぐ波音を妄想で再生すれば、静寂の中に響く自然の声が心に染み入り、日々の喧騒が洗い流されていくような感覚に包まれます。
また、社殿を結ぶ「廻廊」は、一本の釘も使わずに敷き詰められた板材が、スリット構造となって潮や波の衝撃を逃す工夫が施されています。
釣灯籠が等間隔に吊るされ、夕暮れ時にはやわらかな光を水面に反射させながら揺らめくその様は、まさに“生きた建築芸術”。
そっとその廻廊を歩きながら、時空を超えて過去の参拝者たちの息吹を感じてしまうのです。
潮の魔法が生む大鳥居の絶景

干潮時、鳥居の足元に立つ奇跡。ここで妄想ライダーはそっと手を添えて願う——「焼酎とブログの神様、今日も安全に」。
海にそびえる朱色の大鳥居――その姿は、厳島神社を象徴するランドマークであり、多くの人々の記憶に焼き付いて離れません。
高さ約16.6メートル、重さはおよそ60トンという巨大な構造物が、海底に基礎を持たず、ただ自重のみで安定して立っているという事実に、誰もが驚かされることでしょう。
この鳥居が本領を発揮するのが、潮の満ち引きの瞬間です。満潮時には水面に浮かぶような佇まいを見せ、その姿を水鏡のように映し出します。
あたりは静寂に包まれ、鳥居の影がゆらゆらと揺れる様子は、神聖さと儚さが同居するような風景です。一方、干潮時には参拝者が砂浜を歩いて鳥居の足元にまで近づけるようになり、まるで神の世界に一歩踏み込むかのような神秘的な体験が待っています。
早朝の朝日を浴びて朱色に輝く鳥居を見上げる光景や、夕焼けに照らされた影が海面に長く伸びる瞬間を何度も心に描いてしまいます。
そして干潮時に出現する「鏡池」では、水たまりに空と鳥居が映り込み、まるでこの世とあの世の狭間を歩いているような不思議な感覚に包まれます。
また、潮風とともに聞こえる波の音、鳥居の朱と空の青のコントラスト、周囲の山々の緑――そのすべてが、まるで大自然が創り上げた芸術作品。
現地を訪れることができなくても、妄想の中では何度でもこの場所を訪れることができ、そのたびに新たな感動と発見に出会えるのです。
鳥居の下で願いをかける
厳島神社の象徴、大鳥居。その高さは16.6メートル。海中に堂々と佇む姿は、まるで異世界への入り口。
しかも、地中に基礎を持たず、重さのみで海に立っているというから驚きです。木造建築の粋と神秘が融合した、日本が誇る名建築のひとつです。
妄想旅では、干潮のタイミングを狙い、鳥居の足元まで接近。ワクワクしながら砂浜を進み、朱塗りの柱にそっと手を添えます。
「焼酎とブログの神様、今日もよろしくお願いします」と祈りつつ、どこか照れ笑い。願いも生活感全開、それが醍醐味です。
満潮と干潮が織りなすリズムの中、大鳥居は一日に何度も違った表情を見せます。
朝焼けには神々しさを、昼間は観光客の賑わいと共に、夕方には幻想的な影を海に映し出し、時の流れを感じさせてくれます。
その一瞬一瞬を、記憶に刻んでいくのです。
神聖な儀式と舞台を体感

木の温もりと朱色の美しさが調和する、厳島神社ならではの回廊。
拝殿、祓殿、高舞台、能舞台……厳島神社の社殿群は、海上に浮かぶような美しい建築。四季折々の神事や舞楽が奉納され、特に能舞台は海と一体化した唯一無二の舞台として知られています。
妄想旅の私は、その能舞台に正座して、頬をなでる潮風と灯籠の光、そして笛の音に包まれながら、神楽の世界に身を委ねています。
舞う神々の姿が幻想の中に浮かび上がり、自分も舞台の一部になったような没入感に浸ります。
視線を上げれば、海と空と朱塗りの社殿。儀式の厳かさと自然の壮大さが交差するその光景に、心の奥底から祈りの感覚が呼び起こされるのです。
千畳閣からの絶景と平清盛の面影
社殿のすぐそばにある「千畳閣」は、畳857枚分という圧倒的なスケールを誇る未完の建築。豊臣秀吉が戦没者の慰霊のために建立を命じたとされ、完成には至らなかったものの、その広がる空間と静けさに圧倒されます。
妄想ライダーの私はここで腰を下ろし、瀬戸内海と朱の社殿を眺めながら、木の床が語りかけてくるような錯覚に身を委ねます。「平清盛も同じ景色を眺めたのか……」そんなロマンにひたる妄想時間が始まります。
未完であるがゆえに、想像力をかき立てるこの場所。「完成よりも、想いを残すこと」。千畳閣にはそんなメッセージが込められている気がします。
味わいたい 宮島のグルメ

牡蠣、もみじ饅頭、抹茶そば…宮島ならではの名物が並ぶ、心もお腹も満たされる一枚。
旅の楽しみといえば、やっぱり“食”。宮島には「あなごめし」「焼き牡蠣」「もみじ饅頭」など、名物グルメが満載です。
妄想ライダーは、表参道商店街をぶらり。炭火で焼かれる牡蠣の香りに誘われ、濃厚な旨味にうっとり。続いて「あなごめし」の名店で、ふっくらご飯に香ばしいあなご、そして甘辛ダレの黄金バランスに舌鼓。
スイーツ部門では「揚げもみじ」。外サクッ、中しっとりの新感覚スイーツ。瀬戸内海を眺めながら味わえば、妄想なのにリアルな幸福感が訪れます。
実際に訪れずとも、心の旅なら“並ばず”“自由に”味わえるという妄想特権。さあ、あなたも妄想グルメ旅へ
旅の記憶は、映像とともに蘇る。
そんな時、インスタのリールで見つけたこのワンシーンに、完全にやられました。
↓↓ こちら ↓↓
https://www.instagram.com/reel/DFKjGpQPJmu/
🗺 妄想ライダーおすすめ立ち寄りスポット(マップ番号参考)
🔴 紅葉堂(揚げもみじ)
外カリッ、中もっちりの絶妙スイーツ。チョコ・チーズなど種類も豊富。商店街のベンチで潮風とともに味わうのが妄想流。
🟠 かきふくまる(焼き牡蠣専門店)
ガーリックバター、チーズマヨなど食欲爆発な焼き牡蠣がズラリ。何度もおかわりするのが妄想あるある。
🟡 開運処 仁舎(あなご天串)
ボリューム満点の天串を片手に海沿いを散歩。味と風景の両取りがルーティン。
🟢 やまだ屋 宮島本店(もみじ饅頭・体験)
ディップで味わう新感覚饅頭や手焼き体験。「これ絶対売れる」と自画自賛中。
🔵 MIYAJIMA BREWERY(クラフトビール)
弥山の天然水で仕込んだクラフトビールを飲み比べて、マイ推しビールを決定!
📍地図はこちらからチェック!
👉 宮島 表参道商店街マップ(PDF)
“ご縁”の本質に触れる一冊。
桜井識子さんが神社でのリアルな体験を通して語る「縁結びのはなし」は、
旅の前後に心が整う、妄想ライダーにもぴったりな読み物です。
記憶と憧れが交差する神社時間のしめくくり

神社の鳥居をくぐる瞬間、心の奥で何かがふっとほどける。そんな“神社時間”をやさしく切り取った1枚です。
潮風を感じながらペダルを止めたその瞬間、思わず深呼吸してしまいました。その爽やかな潮の香りに、自然と心がほどけていくのを感じます。
目の前に広がる瀬戸内海、そこに静かに佇む朱塗りの大鳥居──この景色は、きっとあなたの心にも静かに残ることでしょう。
時間の流れを忘れ、波の音に耳を澄ませながら心をゆだねる。その穏やかなひとときが、あなたの心をそっと癒やしてくれます。
厳島神社は、ご利益やパワースポットという言葉だけでは語りきれない場所です。
歴史ある社殿の佇まいと、四季折々に移ろう自然の風景が絶妙に調和し、訪れるたびに新しい発見が待っています。
季節ごとに変わる景色、潮のリズムに合わせて姿を変える社殿──そのすべてが、心を動かす風景との出会いをもたらします。
日常から少し離れて、心を癒やす時間を過ごしたいとき、ふと心が求める場所になるかもしれません。
「また訪れたい」。そう思わせてくれる旅先があることは、私たちの心にとって小さなご褒美です。そんな場所がひとつでもあることで、心に余白が生まれ、日々の暮らしが少しだけ豊かになる気がします。
次の旅先リストに、ぜひ厳島神社を加えてみてください。心が求めるとき、きっとまたあなたを迎えてくれるはずです。
似たようなパワースポットが気になる方は、👉 伏見稲荷大社の妄想旅はこちら
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🏯 厳島神社(広島県)
海に浮かぶ朱塗りの社殿が美しい世界遺産・厳島神社。参拝前に、歴史や神事について予習しておくと、現地での感動もひとしおです。
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